Abundzu

Lebe gehorsam

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沈黙

※語れない程の悲しみでしょうか。

 

母方の祖母、

生きていれば96歳、戦争体験者である。

戦後アメリカへ渡米し、日本に戻る事はなかった。

 

子供の頃から疑問に思っていた事がある。

祖母は何故アメリカへ行ったのか。

我子を日本に残し、何故?

誰に聞いても教えてくれない。

私の母も分からないと言う。

 

もう一つ分からない事がある。

祖母は戦争の話をしない。

祖母だけではない。

日本にいた我家の親戚一同、誰も語らない。

近所のジジババも話さない。

 

小学生の頃、「はだしのげん」という漫画を読んだ。

夏になるとお勧め図書として図書館に並ぶ。

戦中の出来事を漫画にしたのだが、これは苦しすぎる。

今でもあるのだろうか? 

 

父や母に戦争の話を聞くが、困る事はなかったという。

母は戦後生まれの為、空襲を知らない。

父は幼過ぎて記憶にない。

つかえない親だ。

 

私の周りの人達は誰も戦争の話をしない、したがらない。

 

アメリカで祖母に聞くが反応無し。

私を抱きしめ、頭を撫で

「今晩は何が食べたい?」と話をそらす。

質問した内容も忘れ、私の思考は肉に変わる。

この親にして この子あり。

 

 

読者登録をしている方のブログを読み、

終戦記念日に手を合わせる祖母の姿を思い出した。

※ 金広 栄 (id:kanehiro-sakae)さん、勝手にゴメンナサイ。

  この内容、感じるものがあって...

 

kanehiro-sakae.hatenablog.com

   

『許し難きを許し憎しみの連鎖を断ち切ってください』

 ※抜粋

 

私の祖母は、

ジジババは、

戦争の苦しみ 悲しみを、

乗り越える事が出来なかったのかも知れない。

本当の気持ちは分からないけど。

 

終戦記念日は必ず手を合わせていた祖母。

一度アメリカで、

終戦記念日ではない、敗戦記念日だろ」と言われた時、涙を流した祖母。

 

人間に欲がある限り、争いごとは起こる。

 

母方の祖父母も、父方の祖父母も、誰も戦争の話をしない。

何も言わないまま みんな亡くなった。

沈黙したまま いなくなってしまった。

 

 

もうじき黙禱の日が来る。